おっさん 『フランシュシュの歌』を語る その2(徒花ネクロマンシー編)
という訳で、だいたい本編放送順に楽曲についてあれこれ語っていきたいと思います。
基本的にTVバージョンではなく、Fullバージョンを基準にお話を進めますので、円盤付属のCDを再生しながらお読みくださいw
『徒花ネクロマンシー』
ごぞんじ!常識破りのOP曲w
本当は第2話から流れるんだけど、やっぱこの曲から解説していきたいよね~。
どの辺が常識破りかと言うと…ほぼ全部w
歌詞
その1でも言っていた通り、英語を排除した超硬派な歌詞に、日本人でもそうそう使わねーよ!という難しい単語のオンパレード。
簒奪(さんだつ)・寵児(ちょうじ)なんて言葉、久しぶりに聞きましたよw
さ……SAGAは佐賀のローマ字表記だし……(震え声)
あ、ちなみに本来のSagaは英語でサーガ。北欧の古典叙事詩から転じて大河小説的なニュアンスでも使われています。
あと徒花とは「咲いても実を結ばない花」という非常に切ない意味です。フランシュシュの存在自体を的確に表した単語だと思います。
彼女たち全員が咲いた、もしくは咲きかけた瞬間に散った花ですからね……。
ネクロマンシーは造語です。
ゲームなどで登場するネクロマンサーという死体を使役する職業がありますが、この曲ではマンシーなんです。
死体を意味するnecroにロマンスromanceを合わせたものでしょう。
それを形容詞化したromancyにしたものかと。
ロマンスというとメソ……げふんげふん。いやなんでもない。
ロマンスは一般的にはなんかムーディーなアレだと思われていますが、伝奇小説・空想小説・中世騎士物語なども含まれているので、どちらかと言えば伝奇といったニュアンスを採用した方が正しいかも?
「非業の死者伝奇物語」
タイトルを無理やり日本語翻訳するならこんな感じでしょうかw
これぞ「主題歌」なのだ!
歌詞の内容そのものは単語が少々難解なだけで、意味としては理解しやすい範囲でしょう。
アニメのテーマでもある「生きるという意味と意義」を狂気とも言える反骨心でがむしゃらに求める歌詞ですね。
佐賀県出身の偉人、山本常朝(やまもとじょうちょう)の思想「葉隠(はがくれ)」は、第11話の巽とマスター徐福との会話に出てきたり、第12話アイキャッチの背景に登場したりと、この作品の通底するものです。
↑よく見ると、さくらが古い和書を持っているねw
「武士道とは死ぬことと見つけたり」
この言葉は曲解される事が多いですが、正しい解釈は「自己への執着を捨て、成すべき正しい事を成せ」という感じです。巽もそう言ってますね。
これ、実はフランシュシュの事じゃなくて、ゾンビランドサガ企画そのものコンセプトなんじゃないかと思います。
つまりはCygameの竹中信広プロデューサーさんと、Cygame社長つまりは出資者の渡邊耕一さんの心意気。
ぶっちゃけね、企画の段階で本気でゾンビランドサガがこんなに大ヒットするなんて考えていた人なんて社長ですら思ってなかったと思いますよ?w
それなりに有名な企業の社長ともなれば、様々なしがらみや守らなければいけない社員・資産だって半端ないでしょう。
9割9分、億単位の金をドブに捨てる事になると分かっていても、彼らは勝負をした。
それは故郷佐賀を活性化して恩返しするために、私財をなげうってでも世間にサガをアピールしたかった。 まあ、実際は私財ではないでしょうけどw
まさに身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ(仮名草子・尤草紙より)の心境だったのでしょう。
その結果が、浮かぶところか有頂天。
日本だけでなく世界にSAGAの名を知らしめたアニメにふさわしい曲になったのでした。
よく「主題歌」っていうじゃないですか。
これほど「主題」を謳(うた)っている「歌」なんてそうそうありませんよ?
楽曲
これ、ゾンビアニメでもアイドルアニメでもねぇよ!
第1話で方向性が分からずに混乱した視聴者に、第2話の冒頭でボディーブローの嵐を喰らわせた1曲。
え?このアニメはどこへ行きたいの?!と思った方も多いのではないでしょうかw
でもかっこいいから仕方ないね。
私はこの曲をして「このアニメは常軌を逸している!」と判断しましたw
特撮っぽいとはよく言われますが、個人的に一番近いニュアンスの楽曲は「檄!帝国華撃団」なんじゃないかな?
ゲーム史に残る超名曲なので、知らない人は必聴↓
サクラ大戦 主題歌 「檄!帝国華撃団」 【FULL】 - YouTube
特にイントロのエグいテンションコードの連続はかなり彷彿させられました。
あと、生録音でホーンセクション・ストリングス・コーラスを録るという豪華な収録体制だからこそ映える疾走感。この辺はエイベックス出資の強みでしょうね。
かっこいい所は1:55のホーンセクション!!
CD買って再生した瞬間にのけぞりましたw
まあ、TV版では流れないんですがw
このツボは1番の0:44のホーンセクションの流れを1回聞かせてから、2番で(ああ、アレが流れるところか)と思わせておいて、その予想を上回るバリエーションメロディにしてくるところですね。
あと、2:56からのCメロ「何が神の冒涜か~」ですね。
歌詞もさることながら、さくらのソロとエレクトリックピアノの刻み、そこから歌が重なり、楽器が重なり、壮大に盛り上がっていく!!
あああ、もう!!たまらん!!
ちなみに3:11の「う~な~れ~」の所ですが、「徒花」につながる前に一瞬ブレイク(音を切ること)を入れると、もっとかっこよくなったかな?という気はしますが、たぶん作曲者の加藤さんなら試してみた結果、不採用にしたのかな?とか思ったり。
直前で十分盛り上がってるのに、これ以上やったら蛇足になるって場合もありますからねw プロの方はその辺のさじ加減が上手いのです。
楽曲に関しては以上です。
なお、本文中に登場する人たち気持ちなどは全て私の勝手な妄想ですので、ご本人の見解とは大きく異なる場合がございますのでご了承くださいw
でもできる事ならインタビューしてみたい!!
……っておいぃぃぃ!! OPだけで終わっちゃったよwww