普通のおっさんが【ろこどる】語ってみた。 ※単発
まず普通のおっさんじゃない件について (終了)
いえ、いいんです、タイトルをパロってみたかっただけなんです。
さて今回は単発で私の好きなアニメ
をご紹介。
ちなみに原作未読w 純粋にアニメが好きなので。
2014年に放送されたアニメで、けっこう秀作なのにあまり話題に出ないので、あえてここで振り返りつつ紹介をしてみたいと思います。(…5年前だと…っ?!)
もし気になった方はぜひ見てみてください。
ストーリーや概要
ざっくりストーリー
流川市という架空の市に住む普通の女子校生、宇佐美 奈々子はある日市役所のふるさと振興課に勤める叔父の策略(?)によって、流川市をPRするローカルアイドル、つまり【ろこどる】をする事になってしまう。
その派遣先で出逢った同じ学校の先輩、小日向 縁は奈々子よりも先に選ばれていたろこどるとしての先輩でもあり、彼女の助けを得ながらも暗中模索状態でローカルアイドルをやってみる事にした。
その中で出会う様々な人たちとのふれあいの中で、彼女たちは少しずつだが確実に成長をし、そして流川市のろこどるとして認知されていく。
いわゆるタイトル長い系な上に「~してみた」という当時の流行ものっぽい感じから、勝手に敬遠して録画は一応してたのですがチェックは2週ほど遅れてからでした。
今思えば、観ずに消さなくて本当に良かったと思える良作だった!
どうしても美少女キャッキャウフフの日常系に対して苦手意識があるんだよなぁ…(汗
まあ、いわゆる萌え要素やお色気要素はあるんですが、そこまで不自然ではなかった……かな?たぶんw
第1~2話を観た感想は「意外と丁寧に作られてるなぁ」だった気がします。
タイトルの流行モノっぽさに反して、しっかりと作られた導入部分。
でも見たらわかる安っすいヤツやん!状態のアニメなんですよ?お世辞にも資金が潤沢だとは思えない第1話でした。(もし本当は予算ジャブジャブだったらすみませんw)
しかし丁寧に作る事は出来るのです。スタッフの真摯さが伝わりました。
ちなみに一迅社作品のアニメはけっこう愛のある作品作りが多いと思います。地味に好きな作品が多い。(未確認で進行形も好き)
制作会社はfeel.。こちらも比較的クオリティ高いのに妙に報われない印象のある会社w(ヒナまつり……)
一般的に第1話って評価基準クオリティじゃないですか。一番時間に余裕があって、今後の製作の基準点となる作画なわけです。(ちなみにこなれて来た4~5話くらいが一番安定する作品も多し)
これは後で調べて知った事なのですが……
どうやらアニメ化の段階でかなりの見切り発車で、原作ストックがロクに無い状態だったらしく、後半はアニメオリジナル展開だったそうですw
つまりスタッフは半分オリジナル作品のノリで作れたという事ですね。
しかし、構成の段階でこの作品の核心的要素をしっかりと抽出して分解・解析・再構成が出来ていたのでしょう。完全に素人だった4人の女子高生が、ろこどるとして成長していく姿がしっかりと描かれています。
強引な謀略wによるコンビ結成から、ローカル施設のイベントから地元CATVのレポーターという妙に現実的で生々しい所からスタートして、ゆるキャラグランプリのアテンド、全国ろこどるフェスタへの出場へと話が進んでいきます。
しかしご都合主義的なトントン拍子というよりは、等身大の女子高生としての悩みや困難を上手く混ぜながら成長していく感じが好きですね。
12話の最終到達地点も、素人女子高生が精一杯がんばって到達できるギリギリの範囲くらいになっていたのも良かったです。
歌の良さ
作中に5曲の歌が登場するのですが、どれも良曲ばかり。しかもしっかりと作品の世界観にマッチしている。たぶん、一番の功績は編曲者だと思う。
ゾンサガもそうなんですが、音楽の力って大切だなぁと思います。
実は劇中歌の方が好きな私は異端でしょうか?w
OP「ミライファンファーレ」
女子高生らしい明るく元気な曲。作品の世界観にぴったり。
ED「未来少女たち」
2人ver 3人ver 4人verと、登場キャラが増えるごとに変わっていったED。
映像も変わるけど、なんと楽器アレンジも変わるという謎の豪華さw
劇中歌1「あぁ流川」
あえてのこのシーンチョイス。観た人なら分かってくれるはず!
作中では流川市民なら小学校から歌わされるジモティソングらしいですw
なんとも言えない曲調で、本当にどっかの自治体が作ってそうな微妙にダサい感じなのに気が付くと中毒になっていた……。
しかしよく聞くと絶妙な転調が入っていて凄い。これ市民、歌いにくくないですかね?w
…CD版よりもTV版の方が好きなんだよなぁ。
劇中歌2「魚心くんソング」
くんっ!! ナッパに非ず
↑この本当にありそうな流川市公認ゆるキャラのテーマソングで謎の中毒性が困る。
設定上、素人に毛が生えた程度の人が作ってるという曲なので、リアルにありそうな微妙なアレンジと録音環境、素人っぽい楽曲。
これを意図して製作した作曲家さんは凄いなぁと思う。
劇中歌3「流川ガールズソング」
もうね、泣く。聞くだけで泣ける。
このアニメの集大成ともいえる12話で初めてお披露目された曲。
作中では主人公が中心になって作詞をしたという設定になってます。
Cメロからサビアレンジへの流れが完璧。アレンジで泣けるという稀有な名曲。
今でも結構な頻度で聞いています。
細かくは今から語りますw
最終回
もうね……有終の美すぎて最終回だけで何回観たか……。
ライブシーンが素晴らしい!
先ほども言ってますけど、このアニメ、明らかに低予算の臭いがしました。だからあんまり派手にライブシーンを動かせない事は承知してました。
しかしそれを覆す丁寧な構図と動き、演出を駆使して最高のライブシーンを創り出していたんですよ。
普通のアニメのライブシーンって1番メインのTVエディションだったりするじゃないですか?
なんとろこどるの最終回ライブは4:09のフルサイズなんですよ!
しかも手描き!
てか、低予算だから3Dモデルですら作れなかったんじゃないかと邪推してしまうんですがw
もちろん回想あります。振りも使い回しあります。
そんなん低予算なんだからしょうがないじゃないですか!
でもそれが気にならないんです。
意味のある回想シーンと意義のある止め絵。一つ一つに製作スタッフの気持ちが入ってる感じがしました。
↑この0.5秒も映らない1枚絵に気付いた瞬間になぜか涙腺決壊した。
この1枚は絶対に必要なオリジナルカット。
そしてライブが終わり、最後を地元でしっかり〆たのも素晴らしいと思います。これぞろこどるの鏡。
アイドルソングで終わるのではなく、地元の市歌?で〆るなんて芸当、なかなか出来るもんじゃありません。
これも後半オリジナル展開であったからこその構成だと思います。
よく訓練された流川市民(ファン)はあぁ流川で泣く。もちろん私も泣く。
そして最後まで観たあなたも(なんでこんな曲に感動してんだよ……)と苦笑しながら泣く。
てか泣け!w
声の話
主要キャラ4人なんですが(今となっては)なかなかのメンツです。
まあ、この時はほとんど新人上がり程度の4人なんですけどねw
だからこそ、演技の面で作品クオリティの底支えをしてくれたと思います。
主人公 宇佐美 奈々子 (CV:伊藤美来)
2年目にして初主演。近年もコンスタントに主役級を務めてますな。
ヒロイン? 小日向 縁 (CV:三澤紗千香)
5年目で主人公経験も一番先輩だったと思われます。
中の人1 三ヶ月 ゆい (CV:吉岡麻耶)
5年目ですが主人公格経験は少なめ。現在もあまり出演作品は多くない様子……。
中の人2 名都借 みらい (CV:水瀬いのり)
5年目。今となっては2010年代後半を代表する人気声優となった水瀬さんのブレイクの年の仕事です。
伊藤美来さんはこの作品で初めて存在を知って、新人なのに上手いなぁ、と思ったら案の定、現在では色々な作品で見かけるようになりましたw
不思議と伊藤さんと三澤さんの声質がぴったり合っていて、一緒に歌っている時にすごくマッチしてるんだよね。
以上、ちょっと駆け足でしたが普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。の魅力が少しでも伝わったでしょうか?
あなたが刹那的な娯楽よりも、しっかりとした「作品」が好きなタイプでしたら観てみて損はしないと思います。