めっちゃ早口で言ってそうなブログ

アニメを語りたいおっさんが、誰にも頼まれないのに勝手に深掘りしている(気になる)ブログです。

ゲームのリメイクの難しさ

 若い方にはあまり無縁かもしれませんが、

 おっさん達からすると割と切実なのが、

 レトロゲーのリメイク問題

 最近FF7のリメイクでも賛否両論あるようですねw

 今回はリメイクに際して発生する色々な問題を、

多角的に分析してみたいと思います。

 ゲーム業界の方は読まないでくださいw

 

 

そもそもなんでリメイクなんかすんの?

 まあ、これも色々理由はあるんですが、いくつかピックアップ。

・経営が苦しい

 おい、一番最初にこれ持ってくんなよw

 いやぁ、ぶっちゃけこれ大きいでしょ…

 リメイクする時って、企画が枯渇したり資金繰りが悪化してる時だよ。

 リメイク版はある程度売り上げの予測が立ちやすいからね。

 例えば20年前に100万本売れたゲームなら、今出せば10~20万本くらいは堅んじゃないか?みたいなね。

 で、20万本売れるなら売上はこのくらいだから、このくらいで製作すれば…みたいな予測が立てやすい。銀行から借金しやすい。

 まあでもそういう限られた資金で作られたリメイクの方が良かったりして、大々的なリメイクで成功例ってなんかあったっけ?w

 

・物理的にプレイできない状況になった

 これは長寿シリーズものにありがちなパターン。

 ただ、冒頭で言ってたFF7は別です。PSまだ普通に中古で買えるし。

 そもそもFFシリーズは全て独立した別世界の話なので、過去作をやる必要性が無い。

 代表的なのは今は亡きメタルギアシリーズ

 まあ、今後新作もリメイクが出る事は無いんでしょうが……(血涙)

 初代MSX版から始まってPS1~4と一つの世界観・同一時系列でストーリーが進んできました。

 まあPS1~2はまだ中古でハード買えますけど、そもそもMSXなんてハードそのものがたいした台数売れてないし、さらにカセットなんて言ったらプレミア付いてどうしようもない。

 そんな感じで、ハード的に入手が難しくなった初期作品を、後からシリーズファンになった人たちの為に移植する、というのが理由の一つ。

 FC・SFCみたいにハード単体はいいんだけど、GBみたいに画面一体型のハードって液晶が死んだりしてるとキツいんだよね…。

 

・海外ユーザーのため

 FCのFF1~3。SFCのFF4~6に関しては、海外翻訳ver.が出てたり出てなかったり。

 昔FF7をやってた海外の友達にFF6の話をした時に「なにそれ、そんなゲームがあるの?」と聞かれて「いやいや、じゃあ7はどこから来たんだよwww」と返したら「んじゃ、オーシャンズ11の1から10を見せてくれよ」と言われて完全論破されました。浅はかな当時の私、大変申し訳ございませんでした。

 まあ、そんなわけで、世界同時発売も珍しくなくなった昨今。シリーズものだと初期の作品を海外の人はプレイ不可能だったり、理解不可能だったりします。

 なので、海外版を前提として初期の作品を作り直したりする場合もあります。

 PCだと海外の有志が翻訳MOD作ったりしてくれますけど、コンシューマーだとやれないからね。

 

・設定の矛盾を回避するため

 まあ、これも無くはないです。

 世の中のたいていの名作シリーズは、初代は何も考えずに作ってありますw

 後先の事なんて考えずに全力投球した結果が名作誕生なんです。

 だいたい1作目から自称:壮大な構想!全〇作完結予定!なんてぬかしてる作品なんぞ完結したためしがねぇwそして99%駄作。

 バイオハザードシリーズなんかはこれに近いかもね。

 1なんか完全にノリと勢いだけ(だが名作)

 2も割と雑に世界観広げてました。(だが傑作)

 3で終わるつもりでした。(だが良作)

 で、2以降に色々設定加えて、しかも4以降にも1~3のキャラや設定を引き継いでいるから、1~3の設定がごちゃごちゃになって矛盾点も出てきたり。

 そういう細かい部分を解消して映像的にも統一するために最近1~2のリメイクをやってましたね。

 

で、されたのはいいけれど…

 実際発売されたらファンの評価が大荒れ、なんて事は珍しくありません。

 酷い時には存在すら無かったことにされてる作品も。

 信者たちが虚ろな目で「早くリメイク出ないかな…」とつぶやく羽目になるのです。

 「…早く聖剣伝説のリメイク出ないかな…」

 

 あの、私は基本的にリメイク無条件否定派じゃないから、上手くやってるリメイクなら喜んでプレイします。

 懐古厨だの老害だのと言われたくも無いので、基本的には歩み寄ろうとはしてるんですよ?w

 ただ、それにしても度し難いリメイクも少なくないわけでw

 次からはなんでそんな事態になってしまうのかと考えてみたいと思います。

 

リメイクゲームの要素

 まあ大きく分けてシステム・物語・映像・音楽の4要素でしょう。

 これらを新旧比べて、どうリメイクするのがベターなのかを考えてみました。

 

●システム

 これは絶対に変えてはいけない要素だと思います。

 本当に面白いゲームなら、プレイ時間の全てが楽しかったのです。

 その全ての根幹を支えてるのはゲームシステムなんですよ。

 例えば「話は覚えてるけどどんなゲームか覚えていない」って普通はありえなくないですか?

 それよりも「ストーリーは細かい所は覚えてないけど、当時めっちゃやり込んでた」って記憶の方が普通です。

 それはシステムが楽しかったからでしょう。

 RPGのリメイクがADVで発売されたら絶望するでしょ?

 STGサウンドノベルになってたら買わないでしょ?

 ゲームの面白さたる由縁が換骨奪胎されてたら、もうそれは別のゲームです。

 そこだけは変えちゃだめでしょ!

 

 気になる追加要素

 リメイクでよくあるのがシステムは同じなんだけど、色々追加されている場合。

 もちろんそれが一概に悪いわけではないけど、「それ無しでもプレイできる」という方が往年のファンとしては有りがたいわけです。

 1周目を昔のシステムでクリアして「うんうん、これだったよなぁ」と感慨に浸った後に「じゃ、今度は新システムでやってみるか」と2度おいしい。

 でもだいたいが「いや、これいらんだろ…」というシステムだったりするから困る。

 

 リメイクの金字塔、SFCDQ3

 あれほど見事なシステムリメイクは無いでしょう。

 性格システムやすごろく、小さなメダルなど、細かい追加はたくさんあったのに、プレイ感はオリジナルと変わらない。むしろめっちゃドラクエやってる感があって、オリジナルと同じように何度でもプレイ出来た。

 このように、追加するにしても邪魔にならないように上手くやれば、より良い作品になれる場合もあるんですよ。

 

●物語

 これはねぇ、難しい所ではあるんです。

 ゲームとして面白いからと言って、話が面白かったかと聞かれると、必ずしもYESじゃない名作も少なくない。

 別にスーパーマリオブラザーズにストーリーなんか無かったしw

 ストーリーが直結するのはRPG・ADV・SLGくらいで、ACT・STGなんかそこまでストーリー重要じゃないです。

 まあ、もちろんレディアント・シルバーガンのようにストーリーでも度肝を抜かれたSTGもありましたけど。

 でもやっぱりリメイクに際して、ストーリー全体は変えちゃいけないと思うんです。

 新規ユーザーにとってはオリジナルストーリーなんて知らないんですから、変わろうが変わるまいが関係ありません。

 しかしオリジナルユーザーからしたら、話が変わってたらショックです。

 だからストーリーを変えるメリットってほとんど無いんですよ。

 もちろん増量・付加は上手くやればOKですよ?

 本筋は変えずに分岐を増やして別の側面も見えるようにするくらいでいいんです。

 EDの分岐が一つ増えるくらいならいいんです。

 街の人がちょっと増えてフレーバーテキストが充実するくらいなら問題ありません。

 全体的に手を付けるからおかしなことになるんですよ!

 悲劇が売りのゲームでハッピーエンド作るな!w

 

 そしてDS版ドラクエ

 またドラクエかよ、とお思いでしょうが、やっぱエニックスはゲームの肝を分かってるから上手いなぁ、と思います。

 本編が変わってなければ、ピサロとロザリーの番外編とか後日談とかとってつけたようなハッピーエンドとかどうでもいいんですw

 だって別にやらなきゃいいだけの話なんですから。

 その取ってつけた後日談を本編中に強制されるから思い出ブレイカーになるんですよ。

 

●映像

 むしろここが一番重要かもしれませんねぇ。

 やはりリメイクの感想を色々見てると、グラフィックが変わる事に抵抗を感じる人も少なくは無いようす。

 でも映像に手を加える事を一切否定してしまったら、もうベタ移植でいいじゃん!最新機種で動くエミュレーターでいいじゃん!ってなっちゃいますよね。

 FCとかGBのグラフィックの方が良い、とか言ってる人はさすがに老害認定して良いかとw

 それはねーよwww

 クリエイターの人が「このゲームはPS4でも2Dドット絵じゃないと駄目なんだ!」って思って作ってるならいいですけど、当時は単純にハードスペックの問題でそれしか出来なかっただけなんです。

 そりゃ当時のクリエイターに「ポリゴングリグリのハードあるけど、そっちで作る?」って聞いたら、目の色変えて飛びついてきたに決まってます。

 本当にFCのドット絵が素晴らしかったら誰もSFCに行かなかったよ。PS・SSに行かなかったよ。

 当時のクリエイターはみんな、あの低性能(当時は普通)なハードであれやりたいけど出来ない。これもやりたいけど無理!と苦悩しながら開発してたんです。

 

 そういう意味では、2Dキャラが3Dになるのは仕方ないと思います。

 実際3Dの方がやれる事増えるし、ラクになる部分も多いし。

 ただ、問題はその使い方。

 2Dのドット絵が良いとは思いませんが、そのぶん私たちの中で想像力が刺激されて、勝手に名シーンに変換されるのが低スペック系の強みです。

 冒頭のFF7だって、通常時は笑えるくらいのローポリ。戦闘シーンでやっと5頭身。

 あのちゃちなキャラがあーだこーだと動き回っているイベントシーンと、説明書に乗っているイラストを合成しながら(きっとこんなんだろうなぁ)と妄想しているから美化されてるんです。

 それをリアルにされると(思ってたのと違う!)となってしまうわけです。

 

●デザイン

 映像と近いですが、こっちは原画の方の話。

 昔のキャラってものすごい時代感あって、今見ても感心するデザインもあれば、ちょっと恥ずかしくなるデザインもあるよねぇw

 私はそこに関しては必ずしも守らなくていいと思うんです。

 さすがにおっさんだってデザインセンスくらいは少しずつ進歩してるんですよ。

 90年代のデザインをそのまま美麗ポリゴンにされても恥ずかしくて顔から火が出ます。

 だからと言って、完全に今風のデザインにされても困ります。(全身しまむらとかな!w)

 だから当時のエッセンスを上手い具合に現代風にアレンジしてくれるとウレシイね。

 

●音楽

 これも難しいところではあるんです。

 SFCみたいに8音出る頃には、音楽のイメージってだいたい正しく伝わるようになっていたから、SFCのタイトルがリメイクされても、そこまで違和感はないかと。

 でもFC・GBみたいに3音くらいの音源の場合は難しいですね。人それぞれ、音に対して感じていた思い出が違うからです。

 懐古厨としては、システムのコンフィグでオリジナルの音源とアレンジの音源を選択可能にしておいてくれると助かります。(この辺は日本ファルコム神対応です)

 でもオリジナルのチープな音が、リメイクの画面に合うかどうかは別問題です。

 音楽には「広がり」という概念があります。

 上から見下ろし型のゲームは、それに合わせた空気感を。横から見たゲームは背景も含めた空気感を出そうと、作曲家は頑張っていたんですよ。

 だから見下ろし型ドット絵を、ポリゴンでグルグル可能なゲームにリメイクした時は、やっぱり音も合わせて空気感を変えないといけません。

 

 あと個人的にアレンジは嫌いじゃないんですけど、フレーズの追加は慎重にやってほしいなぁ、と思います。

 特にイントロ。

 昔のゲームは特にそうなんですけど、容量の関係で全編サビなんですよ。イントロなんか入れてる余裕なかったのでw

 ゲーム音楽って基本的にはどのタイミングで使われるかが分からないから、ポン出しですぐに美味しい所が出るようにしとかないといけません。

 なのにアレンジでイントロを加えられると、欲しいフレーズが欲しいタイミングで来なくてガックリしたりします。

 てか、もう容量気にしなくていい時代なんだから「イントロありver」と「イントロ無しver」くらい作れよw

 

だいたいそんなかんじ

 まぁ、色々書いてきましたけど、リメイクが難しいのは分かるのです。

 万人が納得する形なんてそもそも無いのですから。

 だけど、その中で大切にしないといけない部分と言うのはやっぱりあると思って、出来るだけ書いてみました。

 みなさんのリメイクに対する見方が少しでも変われば幸いですし、ゲーム製作者が少しでも良いものを作ってくれたら嬉しいなぁ、と思っております。

 

 皆さんの中で「これは神リメイクだった」というタイトルがあれば、ぜひ教えてもらいたいです。