没入感ってなんぞ?
こんにちは。
昔っからゲームにグラフィックは不要派な老害おっさんです。
私はハイカラー(65,536色)とトゥルーカラー(16,777,216色)を見てもたいして違いが分からなくて、迷わず処理の軽いハイカラーを選べる程度の視力というのが問題なんでしょうがw
あ、いや、分からないんじゃないですよ?必要性が分からないんです。
さて、昨今ではPS5の登場に向けて、やたらと『没入感』という単語を聞きますが、それに対して色々思う所があるので今回は久々にしゃべります。
あ、別にPS5ディスるわけじゃないですよ?どうせ買いますし。(言い訳)
まず、没入感って単語にそもそも違和感があって、「没入」してるとは言ってないんですよ。「感」をつけて「没入してるっぽい」という意味に感じちゃう。
没入ってのはこっちが勝手にやる事であって、それに感を付けてる時点でランクが下がる。
なんかの化粧品だがなんだかで「素肌感」とか言ってるのあったけど、本物じゃないから「感」付けるんだよね。だって素肌って書いたら嘘でしかないから。素肌みたいな、って使い方。
でもそれは物理的な話であって、感覚の世界じゃ問題ないわけですよ。
じゃあ、没入感ってなんだよ。
…没入…みたいな?
それ、没入してませんよね?w
明らかにこっち、冷めてますやん。誰が没入してんのよ。…あ、開発陣がしてるのかしらw
べつにホラー映画で「最高の恐怖感!」とは書かないでしょ?
ちゃんと恐怖って書く。感動感なんてのも聞いた事がない。
没入はこっちの感覚の問題なんだから、没入って書けばいいのに、なんで「感」なんて言い訳考えたんだろう。没入できねぇじゃねーか!!ってクレームが来た時のためかしら?w
そもそも没入してるときって、それに気づかないから没入なんですよ。
そう考えると、没入感って広報単語として不適切なんじゃね?と思ったり。
ここでWeblio辞書を調べてみて理解しました。
没入感とは、対象に意識が注がれ他の事が気にならなくなる様子や、その度合いのことである。
度合いの話なんだから、没入感じゃなくて没入度って書かないから違和感あったんだwと一人で納得。
とまあ、日本語的な揚げ足取りは別にして、私の没入を定義すると、その辺は一般的な日本語解釈通りなんですよ。
しずみ入ること。おちいること。「海中に―する」。没頭すること。(Oxford Languagesより引用)
うん、このとおり。
じゃあ、何かにハマって、例えばゾンビランドサガとか、なんかのゲームにしても。
もう、頭の中そればっかりで、四六時中その事しか考えてない状態。
ゲーム中にしたら、もうそのゲームの事しか考えてない状態。
…え?それ普通じゃね?
ゲーム中に他の事考えないでしょ?
アニメ見てるときにアニメ以外の事考えないでしょ?
まあ、それは個人差あるんでなんとも言えませんがw
でも本当に熱中してれば、没入って普通にしますよね?
没入ってポジティブ(能動的)な行動であって、他人によって沈められるもんじゃないと思うんですよ。
しかもこちらが考えれば考えるほど、勝手にのめりこんでいく。
んじゃ、グラフィック奇麗だからって没入できるの?って話。
ゲームじゃなくてアニメだとしたら、VHS時代は没入できなくて、DVDになったら没入できた。BLDとか没入度ヤバいよね~なんて言ってる奴は聞いた事ねぇよw
βの方が画像処理が奇麗でゴザルwwwとか言ってる奴は、アニメに没入したんじゃなくて、スペックに没入してただけ。作品の中身なんか見ちゃいないw
没入って、考えまくってもいけると思うんですよね。
与えられた情報を鵜呑みにするんじゃなくて、ここはどうなってるんだろう?こうなってるんじゃないか?という状態もどっぷり没入してる状態ですね。
私のブログの頭のおかしいゾンサガ考察もそんな感じw
そういう意味では、ローテクもしくはシンプルなゲームの方が没入できると思いませんか?
個人的に一番没入出来たのってPS1くらいのグラフィッククオリティだと思います。
ファミコンだと情報が少なすぎて、考察というよりは妄想に近くなっちゃいますw
ポリゴンで全体像は一応ちゃんと提示されててるんだけど、詳細は良くわからない。だから自分で考える。
ムービーで少し奇麗な映画があって、それを頭に焼き付けて通常画面でそれを自分で積極的に補完する。それをずっとやってるのが没入状態。
最近リメイクで話題になったFF7なんかは良かったですね。3頭身のクラウドで目以外の表情も無い完全なる記号。その記号をどこまで脳内で膨らませられるかが楽しかった。このシーンではみんなどんな表情をしてるんだろう、とか。
あれ、リアルな頭身でやられたら、気持ち悪いギャグにしか思えないです。
実は私が(実写)映画を映画館で見ない理由って、どうしても映画館って没入できないんですよ。
一歩引いて冷めて見ちゃう。
理由の一つは大画面。本物の人間の顔のアップを超巨大に映されたってリアリティなんか感じません。進撃の巨人の第1話のエレンの気分。
そして立体的(と言い張ってる)サラウンドシステム。
音と映像が一致しないから、脳が混乱します。
後ろから音がするのに情報は前の画面にしかないし、隣で音がしたからって隣見ても、知らんおっさんやカップルの顔が見えるだけ。
めっちゃ冷めます。
もう、色々作品以外が気になりすぎて、作品が全然頭に入ってこないんです。
ごめんね、映画館全否定だね。
だから映画は家の小さなTVで見ます。普通に作品として楽しめばいいので。
アニメ映画の方は、そもそもが簡潔に記号化されてるんで、自分で想像できる余地があるから普通に楽しめます。それでもサラウンドは苦手ですが。
じゃあ、もう完全に実写じゃんと言ってる最新ゲームCGのクオリティはどうなの?
うん、めっちゃ奇麗。奇麗だから偽物だって分かるレベル。
これが映画だったらいいのよ。すべてが一本道に最適化された映像だから。
でもゲームってインタラクティブなものでしょ?
こちらが操作して、それに画面が反応する。
キャラはあくまでもこちらの意思を反映するユニットなのです。
リアルだからって勝手に動かれたらゲームになりませんw(小さな障害物を自動で避けるとかはOK)
だからと言って、実写と見分けがつかないキャラが、壁に当たりながら歩いてるの見たら、もう大爆笑でしょ?
絶対ゲラゲラ笑いながら「こいつ頭おかしいだろwwww」となります。
そんなん、勇者ヨシヒコが証明してくれてますw
もう、全く没入出来ません。
あと、魔法とかね?
実写のクオリティで魔法なんか発動されたら、逆に現実にあり得ないこと丸出しで、どこに没入しろと?w
なんか中二病丸出しな大人見てるようで、恥ずかしさしか感じませんw
このアイテムはどうなってるんだろう?
この剣はどんな感じで振ってるのかな?
って考えたって、奇麗すぎて見たままなんですから、それ以上の情報は無い。いいね?「アッハイ」としかなりませんよね~
おにぎりのコメ一粒一粒が描かれてるからってなんやねん。それでHP回復量が1でも増えるんか!
いえ、別に最新ゲーム&ハードを否定するわけじゃないんですよ。
過去にNieR:Automataの記事書いたりしてますし、ペルソナシリーズもやってますしね。
ニーアはグラフィック奇麗だったけど、あれはありえないロボットのありえない動きだったから、ゲームとして純粋に楽しめました。たぶんプレイ時間300時間超えてるかなぁ。あんな奇麗な太もも、ゲームだから許されるんです!
あんな細腕で身長以上の大剣振り回すのも、ロボットゲームだからこそありなんです。
これが、本当に実写と勘違いする人物が、本物の鉄としか見えない大剣片手で持ってごらんなさいよ。脳が違和しか検知しませんw
こうなると、結局FPSでおっさんが銃で人殺すゲームしか作れないんじゃないですか?w
正直なところ、国内ゲームメーカーのトゥーンレンダリングを極めて、完全にアニメみたいなキャラにしてくれた方が、脳が(あ、これはフィクションなんだな)と素直に反応してくれます。
逆にマイクラが世界的にヒットしたのって、あの程度のグラフィックでゲームは十分成り立つという証左じゃないですか?
キャラの動きも全くリアルじゃないのに、のめりこみ度はすごかったなぁ。
あのゲームに対して「グラがリアルじゃなかったから全然楽しくなかったわ」という感想を持つ人は、そもそもゲームに向いてない人なんじゃないですかね。
マイクラはゲーム性以外は何一つリアルじゃないですからw
…リアルなヒゲのおっさんが、めっちゃリアルなマトック持って、1㎥を3日かけて掘るゲーム、没入できますか?
ま、結論としては没入感(笑)って、結局はゲームが面白いか面白くないかってのが大前提。
動きがリアルであろうがなかろうが、めっちゃ上手く操作出来た時には、脳内で勝手にモーション補完して、きっとさっきのは主人公こんな絵コンテでこんなアクションしたに違いない、とか妄想するんで大丈夫ですw
で、あとはこっちがのめり込めるだけのスキマがあってくれるかどうかです。
適度に設定がしっかりしていて、それでいてゲーム中に小うるさくない程度に出てきて、最後まで回収しないでいてくれるのがいいですね。
あまりに完璧に設定回収されるゲームって、なかなか2回目をやる気にならないんですよねぇ…。2回目が正解の分かっているパズルを解くのを見せられてる感じになっちゃうから。
そんな感じです。
ただ、一つ言っておきたいのは、大画面で大音量で受け身な状態の方が没入できる人種もいるんです。それは事実であり、たぶん多数派なんでしょう…。
それを否定する気はありませんし、私の周りにも一定数居るのも事実。
ただ、そういう人たちって、私から見るとゲームやりこまないんですよ。1回やったら速攻中古屋に売るタイプ。
もちろん金出して買った以上、私もその人も対等に客なんですけど、周回プレイするゲーマーのためにもゲームを作ってくれるとうれしいなぁ、と思ったり。