『インターフェイスとしての2B』を語るおっさん
NieR:Automataというゲームを語る上で外せないのが、2Bの存在です。
3人の主人公キャラであり、最初に操作できるキャラ。
まあ、このキャラの造形の良さだとか、尻・太もものエロさだとかそんなのは、世界中の人が分かっているから、今さら説明する必要もない。
先日イーロン・マスク氏がツイートしててビビりましたがw
つーわけで、今回はゲームのパーツとしての彼女の価値を考えてみました。
視点による民族性
まずFPSとはFirst Person Shooting(一人称視点射撃)という意味であり、画面に操作するキャラクタの姿は映らない。
それに対してTPSというのはThird Person Shooting(第三者視点射撃)です。
この場合、カメラはキャラを遠くから固定で撮影してる場合が多いですね。
もちろん、古くからのほとんどのレトロゲームは画面見下ろし型だったり、横向き型だったりするので、広義では第三者視点なわけです。
ところがどっこい、海外ではシューティングはもちろん、RPGすら一人称視点がメインだったのですよ。
しかしどうもこの一人称視点、日本人にはウケが悪い。
という訳でドラクエは全てを第三者視点にして大成功を収めたがために、後にJRPGと言えば画面見下ろし型となってしまったわけです。
それが良いか悪いかはさておき、客観視が大好きな日本人。
当然PS・SSポリゴンの時代になってもFPSがイマイチ流行らないんですw
だから昨今、おっさんが銃ぶっぱなして殺すFPSゲームしか作らない海外に対して、日本はやっぱりイケメン・美少女が大剣振り回して殺すTPSしか作らないわけです。(誇張と皮肉)
もちろん視点でゲームの面白さが決まる訳ではないので、どちらでも名作は産まれますけどね。
で、昨今ではカメラ非固定型TPSが多いと思います。
DMC・ベヨ姉とか無双系。
もちろん、NieR:Automataも基本は背面だけど、カメラぐりぐりすれば全方位から一応見えるよ、というThe Japanese TPSなわけです。
良し悪しは別として、いかにも日本らしいゲームと言えますw
インターフェイス論
さて、そもそも論のインターフェイス(Interfase)とは接点・境界面だそうで、何かと何かをくっつけている部分。
ゲームにおけるインターフェイスとはゲームとユーザーをくっつけている部分なわけです。
それは大きく2つに分かれていて、ゲーム内容をプレイヤーに知らせる画面、プレイヤーの指令を受け取るコントローラーです。
インプット コントローラー
アウトプット 画面
とも言えますね。
まあ、広義で言えば音楽も効果音も全部アウトプットインターフェイスっちゃインターフェイスなんですけどねw
で、インプットのコントローラーはもうどうしようもない。
PSのコントローラーは変えられないんだからw
コントローラーが嫌いだからSwichにしたって人はあんまり聞いたことないけどw
そうなると、ゲームのインターフェイス=アウトプット画面になるわけです。
もちろん目に映る全ての事はメッセージだと荒井由美さんも言ってますが、そういう話ではないw
ゲームの場合だと、ユーザーへゲーム内情報を伝えるのがインターフェイスと言われますね。
コマンドであったり、アイコンであったり、ダメージ数字であったりHPであったり。
↑これもコマンド画面ですし
↑この主人公の周りにあるものもアイコン式コマンド画面。(オサレ過ぎて見難くない?)
そして選択した後の画面の動き方もインターフェイス性能の一つです。
たまにないですか?
アイテム選択が妙に面倒なアクションRPGとか、進行状況がいまいち把握できないADVとか?
それインターフェイスが悪いんです。
例えばアイテム袋を選ぶと次の画面が全然違う場所に出てきたりね。
P5のコマンドで、もし毎回ボタンの位置がランダムで表示されたら発狂しますよw
このように、インターフェイスはゲームの良し悪しに結構ダイレクトに反映するんですよ。
それが最悪だと「ストーリーと音楽とキャラだけは素晴らしい」なんてゲームが産まれてしまうわけですw
これも大切なインターフェイス
さて、先ほどのFPS・TPSの話に戻りますが、もちろんFPSにもインターフェイスはありますよね。
装備してる武器を表示したり、残弾数を表示したり。
そんな中で、割と大切なんだけど微妙に目立たないものがあります。
それが照準器もしくはレティクルと呼ばれるものです。
こんなのねw
まあ、要は自分がどこを狙っているのかが分かるインターフェイスです。
これはもうゲーム性に直結してるから非常に大切。しかもレティクルの中心と着弾がズレてたりしたらもうクソゲー決定。(手振れ反映とかじゃなくね)
で、TPSでも銃を撃つならば非常に大切な要素なのです。
しかしNieR:Automataではポッドは別として、アンドロイドたちは銃は撃たない。
だからと言ってアクションゲームである以上、「自分がどこを向いているか?」「敵に対してどの位置にいるか?」は非常に大切なのですよ。
つまりTPSではキャラクタ自体がレティクル的な要素が濃くなるのです。
つまり、2Bはキャラクタであり、レティクルであり、常に表示されているアイコンでもあるのです。
もちろんRPGとかでもキャラクタは同様の要素を兼ね備えていると言えますね。
例えば初代ドラゴンクエスト(FC版)はレティクルとしての性能が良くない。
容量の問題でもあるんですが、勇者が常に前を向いているから、今自分がどっちに向かって歩いているのかが分かりにくい上に、町の人と話す時に東西南北を選ぶというめんどくささw(もちろん2から修正されましたがw)
しかし、ウィンドウ配置としてはすごいと思います。これがもし
はなす
きた
にし
ひがし
みなみ
と表示されてたら、さらに地獄だったと思いますよw
まあ、少し話が逸れましたが、要は
キャラクタって当たり前のように表示されてますけど、意外と大切な存在なんですよ?
という話です。
視覚情報としての価値
これだけの話なら、なんのこっちゃ?って感じですし、別に2Bである必要性なくね?と思いますよねw
キャラクタがレティクル(照準器)である以上
見難いというのは致命的だという話をしましたが、実はもう一つ大切な要素があると思うんです。
それが醜いですw(日本語の言葉遊びは面白いねw)
顔の美醜の話じゃないぞ?
インターフェイスはゲームの間、ずっと見続けるわけですから機能性はもちろん、観てて飽きないという要素は非常に大切だと思うのです。
どんなに斬新なインターフェイスだったとしても、プレイを続けていくうちに飽きてきたり疲れたりするものはダメでしょう。
その点に関して、2Bというキャラはいつ見ても飽きない、見続けても飽きない絶妙なデザインだなと思う訳です。
ところでTomb Rader(トゥームレイダー)というゲームをご存じですか?
まあシリーズもたくさん出ているし、映画化もされているので知ってる人は多いと思う。このシリーズのうち1~5まではPS1でも発売されています。
で、私はこの大ヒットゲームの主人公であるララ・クロフトにも2Bと同じような共通点があると感じたわけです。(レイラ…)
彼女もまた後姿がいつまで見てても飽きないんですよね。
ちなみにその御姿がこちらでございますw↓
ショボwwwと思うなかれ。
プレイした事のある人なら分かるでしょうが、PS1くらいの低ポリゴンなのにも関わらず、背中、尻、太もものラインが絶妙なのです。
トゥームレイダーシリーズはゲームのシステム上、この後姿を全プレイ時間の90%以上見続けるわけですから、その後姿が醜かったら苦痛時間が増えるわけです。
というか、結構難易度高いゲームだから、初回プレイ時なんか結構イライラする事もありますw
そんな時にこのララの後姿がどれだけストレス軽減効果があるか。
元々この視点は昔、デザイナーの友人と話していた時に「ララの後姿のデザインが秀逸だ」と言われてハッと気が付いたんですよね。
実際海外のゲーマーの間でララ・クロフトの人気はものすごかったです。
あれはもう洋ゲーヒロインデザインの一つの到達点だと言っても過言ではないでしょう。
それ以来、この手のキャラクタを見た時にインターフェイスデザインとしてのキャラデザとしても見るように気を付け始めたんですよね。
その視点で見た時に、個人的に優秀だなと思ったのはバイオハザード4のレオンとアシュリー。
彼も何百時間もプレイしてたけど、飽きなかったなぁ。
BH4がいまだに名作としてプレイされ続けているのも、ひとえにレオンの後姿の秀逸さが関係あると思います。
アクティブインターフェイスな2B
で、話は2Bに戻るんですが。
え?結局てめぇの性癖(誤用)が2Bなだけじゃないか!って?w
いや、別に趣味の問題ではないですw
ではなんで9S・A2を例には出さないのか?
その二人には無くて2Bにはあるもの。
それは……スカート、と答えた人は前に出ろw
……半分正解だゾ☆
実はスカートのスリット&リボンがものすごいユニークデザインだなぁ、と感じるんですよ。
これによってチラリズムが増大……するのはまあ、いいとしてw
彼女の右前方に入っているスリット
これが想像以上に重要だという事に気が付きました。
NieR:Automataは先ほどのTomb Raiderよりもカメラの固定性が低く、自分で正面アングルが見れたりするので純粋に2Bの背後だけを見る時間は7割くらいかな?と思います。
つまり、彼女を右側から見たり、左側から見たり、下から見たり、下から見たりするわけです!(下から見すぎだろ)
これが右前方にスリットが入っている事によって、彼女が右に曲がった時と左に曲がった時に見せるアイコンとしての表情が変わるんですよ。
太ももの見えるか見えないだけじゃん?とか、ゲームと関係ないしと言われてしまえばそこまでなんですけどw
でもそれって割と大切な事だと思うんですよ。コントローラーで右を押した時と左と押した時で進む方向が違うのは当然ですがw
でもコントローラーで右・左を押した時に見えるキャラの表情が違うって、それだけで操作が楽しくなりませんか?
私はこのゲームをプレイしてみて思ったのが、とにかく「操作が楽しい」と感じたんですよね。もちろん無双系のゲームなんで操作が爽快じゃないと話にはならないんですが、プレイが100時間を超えたあたりから(これはもっと他の理由があるんじゃないか?)と考え始めました。
2Bがエロいとかを答えにしてしまったらそれはなんか違う気がして、一生懸命考察した結果がスカートのスリットだったというわけですw
あと、スカートの開き具合も絶妙ですね。ベタッとし過ぎず、アホみたいに浮いてる訳でもなく。
これはキャラデザの吉田明彦さんも素晴らしいですが、モデリングをしたスタッフさんの執念が産み出した結晶だと思います。
この思考に至ったきっかけがA2とDLCの露出度の高い服ですね。
露出度で言ったら、絶対A2の方が高いし、カイネの服の方がなんかもう色々出てますよね?w
でも、なんかプレイしてる時の楽しさがノーマル2Bの方が高いんですよ。だからなんでだろう?と考察してしまったんですよ。
という訳で、ララが一つの到達点であるなら、2Bは和ゲーヒロインキャラデザインの一つの到達点ではないかと思った次第です。
この考察に気付いているor賛同してくれるキャラデザの人がもっと増えて、操作が楽しくなるキャラがもっと増えてくれると、名作が増える気がして、あえて書いてみましたw
余談
キャラが「右を向く・左を向く」で表情が変わって、それがゲーム性にダイレクトに反映されているゲームは、セガサターンのシルエットミラージュという傑作をおいて他に知りませんw