『夢を手に、戻れる場所もない日々を』を語る
第3話から使用された第2期エンディングについて感じたことや考察したことをお話ししようと思います。
まずね…もうね…
ジャケットで泣かしにくるのやめーや…
フランシュシュが笑顔ってだけで泣けてくる。
OPでも描いたけど、険しい表情が多いフランシュシュだからこそ、笑顔の破壊力がヤバい。
まして彼女たちが背負ってきた過去を考えれば、笑顔になんかなれなくたって仕方ないのに…
そんな彼女たちのオフショットの笑顔を見ると、なんとも言えない気持ちになるのは私だけ?
そしてすげぇ服のセンスが良い。深川さんデザインですかね?
それにしてもゆうぎりの服よw
楽曲について
作詞:古屋真
作曲:山下洋介
To My Dearestコンビです。もう完全に泣かせにきてますw
ちなみに山下さんは純子のソロ曲「50と4つの忘れ物」の作曲もされていたりするので、バラードがお得意?
まず楽曲に関しては90年代前半のビーイング系アニソンを意識して作っていますね。
スラムダンクとかで聞いてた人も多いのではないでしょうか。
具体的にはZARD・WANDS・T-BOLAN・大黒摩季・DEENあたり。
なぜそう断言できるのかというと、まあ楽器構成からコード進行まであからさまですからw
Aメロのベースは動かずにコードだけ変わっていくところとか、サビ前に全体的に駆け上がって、そこから下がっていく感じとか。
なによりも、タイトルw
サビの出だし歌詞をそのままタイトルにするというキャッチーな戦略。
「負けないで」「あなただけ見つめてる」「世界が終わるまでは」などなど。
これによってタイトルさえ思い出せれば、サビの冒頭が歌えるという当時のカラオケブームにも上手くひっかけた戦略ですね。
そんなキャッチーかつ戦略練りまくった曲ですが、結論としては…
予告満塁ホームランやめーやwww
悔しいっ…でも気持ちいいっ…(ビクンビクン
まあ、あの当時も気持ちよかったんですけど、やっぱ改めてやられるとダサいっちゃダサいし、ベタっちゃベタなんですけど
やっぱ良いんです。
歌・歌詞について
まず驚いたのが歌いだしがリリィって事。
なんとなく全員かさくらスタートだろうと思っていた初見はちょっと脳が混乱して「誰この声?!」ってなりましたw
「探して」というサガネタも入ってますが、もしかしたらこれは意図的じゃないのかも?
REVENGEでもそうでしたけど、そういうギャグ歌詞ってだいたい純子のパートなのでw
で、キレイな音楽と明るく歌ってるのに騙されがちですが、歌詞をよく見ると全体的に少し不穏なんですよね。
なんというか…全体的に悲しみを含んでる単語が多い。
「忘れられてもいい 忘れない」はサキが、いやホワイト竜さんの言葉に近いニュアンスですね。
もしかしたら、第2期に際してスタッフ側で意識してるのかもしれません。
実際、2期大爆死!なんてアニメが9割な世界ですから、やる側だってプレッシャーがキツいと思います。
だからこそ「世間に忘れられても 自分たちの中には大切な作品として残るような物を作ろう!」と思っているのかも。
そう考えると、最初は違和感のあった、愛と純子の歌う「せめて前を行こう」の部分も分かるような気がします。
普通だったら「せめて前に行こう」じゃないですか?
この二つの違いは絶対的か相対的か、という部分だと思いますよ。
「に」だったら、ある地点から前になっていればOKです。
でも「を」だったら、そのある地点が動いたらそれに合わせて自分もさらに前に行かないとダメなんですよね。
老舗の世界だったり、花咲くいろはでも言われてますが
「変わらない」と言うのは時代と共に変化し続ける事だ
って言われます。
だから変わり続ける世界に対して、受け入れられるか、受け入れられないかどうかは別にして「その前を歩き続けよう」という意味でしょう。
まあ、全部おっさんの妄言だがな!!
映像について
音楽でビーイング系と断言した背景には、映像も影響しています。
背景の主線に少し濃い寒色を使ったり、パステルカラーを使ってみたりと言うのは、80年代後半から90年代前半に流行ったいわゆる「シティポップ感」なイラストを意識しています。(なんか正式な呼称あるんですかね?)
有名な作品で言えば「ハートカクテル」で画像検索すれば分かると思いますw
この独特な表現法は一定数評価されていて、今でも意図的に使われる場合もありますね。
例えば化物語シリーズの恋物語OP「木枯らしセンティメント」です。←YouTubeリンク
あちらは80年代後半で、こちらは90年代前半と言ったところでしょうか。
もちろん、手法が古いというだけで、技術や色彩表現などは今の技術とセンスをしっかりと盛り込んでいるので「古いのに新しい」という先ほども言った「時代と共に歩み続ける」というスタンスにもしっかりと合っています。
で、実際の映像の内容ですが、聖地特定に関しては現地の方々にお任せするとして、やはり意味深すぎるキャラクター配置の方を考えていきましょう。
サキとリリィ。
服装も90年前後のカジュアルの流行を取り入れてますね。
そしてやはりゆうぎりとはセットにならないリリィ。
これはもう意図的に離してるとしか思えません。
ゆうぎりとたえちゃん。
これもやはり珍しい組み合わせ。
こうなるとスタッフ側の「単にファンに媚びたありがちはやらんぞ!」という変な意地なだけにすら思えてきますねw
ここのたえちゃんは確かに姿勢は悪いですけど、本編のような奇怪な動きではなく、普通に猫背の子がキレイじゃなく歩いてる感じなんですよね。
それにしてもゆうぎりさんデカすぎぃ!
でもタイトミニを高めに履くのが良い。
なぜならハイウェストの方が太く見えないから。
胸の大きな人が低く履くと、なんかお腹が太って見えるんですよね。
第3話でサガバイトの愛が着ていたああいうコルセットも同じような効果があります。
そこは普通にやるのかよ!
ここだけは公式かよ!!
やっぱり純子は愛の後ろなんですね。
まあゆうぎりもそうですけど、がつがつ前に出るタイプではないか。
ここも大きな争点になるのは初見でも分かります。
他の3枚の絵はフランシュシュ以外に誰もいないのに対して、さくらの絵だけ正体不明の2人が入り込んでいて、それをさくらがチラリと見ている。
さあ、この二人が誰なのかが一番の問題。
とは言え、何のヒントも無さすぎるので、完全にただの推測。
死ななかったさくらと巽のあったかもしれない未来の幻なのかも
二度とかなわない希望の姿。それでも前には進まないといけない。
それはフランシュシュ全員に言えることですが…
と思いながら次の絵を見ると
おっさん号泣
なにこのくっそエモい絵…
フランシュシュが本当に全員笑ってるって…
笑顔じゃないんだよ!笑ってるの!ここ重要!
サキと純子なんか笑いすぎて眉下がってるw
たえちゃんの笑顔がこんなにかわいいだなんて…
なんで泣けるのかは分からん。でも無性に涙がにじむ一枚絵。
やっぱり普段から険しい表情の多い彼女達だからかな?
そしてやはり配置が気になりますね。
最前から視点を奥にやると、まず最初にリリィとサキ。つまり最初のシーンの二人です。
次に愛と純子とさくら。純愛は線路の所で一緒。
で、最後にゆうぎりとたえちゃん。これも2番目シーンのコンビ。
って事は集合した順っぽい?
と考えると、エンディングの全体の流れとしては
フランシュシュが佐賀の街をみんなで探したり迷いながら、一つの目的地の砂浜に集まって、そしてみんなの道中の発見や苦労を話し合いながら次の目的地へと…
というストーリーがありそうな感じですね。
そして太字だけ読んでみると、それはそれでゾンサガRの目指す方向性なのかもしれません。
…って事は、もしかして、このEDのカップリングって「抱えているテーマのカテゴリ別」なんじゃ?
サキ・リリィ → 恋愛?性別?成長?
サキは竜さんに言われて泣いてたし。リリィは正雄だし。
ゆうぎり・たえ → 時代?普遍性?
ここ難しいなぁ~ゆうぎり回もたえ回も無い中で考察するの無理っしょ…
愛・純子 → プロ・アイドル?輝き?
この二人の共通点が一番はっきりしてる気がします。
さくら → 運命?
まあ、そんな事を考えてみました。
実際のところどうなのかは全く知らんがな!
これでみなさんの妄想が少しでも捗れば幸いです。
願わくば、彼女たちの進む海岸の先に次の私たちがいますように。
余談
大河よ共に泣いてくれでも「〇〇をイメージして」って書いてますけど、決してディスってるわけじゃないです。むしろ称賛です。
絵でも音楽でも職業クリエイターなら分かると思いますが、発注なんてたいてい「〇〇みたいな絵」「〇〇っぽい曲」みたいな注文が多いです。
発注元のそういうフワッとしたイメージを上手く汲んで、それをパクりだと言われないで、なおかつ要求を満たすオリジナルを作れるか?がプロのクリエイターの腕前です。それを無視していいのはプロを捨てたアーティストです。
だって、もし発注者が自分で描いたレベル高い絵を見せて「こんな感じでお願いします!」って言われたら「いや、それでいいじゃん」になっちゃいますし、ギター片手に「ここから転調してB♭で階段進行して終わるサビがいいですね」とか言われたら「おもうお前作曲でええやん」ってなっちゃいますw
あとは、その「〇〇っぽさ」の類似性を満たした、いかにセンスのいい元ネタを探してくるかが作曲・編曲者の音楽センスだったりしますね。
だから変にアーティスト気質な人じゃない限りは誉め言葉として受け入れてくれると思います…よ?w